リリアン・ギッシュへの想い

「國民の創生」で観た名女優リリアン・ギッシュに私は恋をしました。彼女に関する文献を読み、その可憐なルックスとは裏腹に極めて腹の据わった男性的な一面を持っていた事、「東への道」では命がけで撮影に挑んだ事など意外な彼女の人となりを垣間見て、女優リリアン・ギッシュへの尊敬を深めました。

東京国際映画祭が終わった後、自分のバンドで演奏するわけでも無くただ彼女のための曲を作りました。初めはクラシックギタースタイルでのソロとして作曲し、後に楽団で演奏できるようにアレンジしました。曲名は彼女の名前をそのままつけて「Lyrian」です。
完成した曲を彼女にプレゼントしたかったのですが、アメリカの老人ホームにいるという事以外なにも手がかりが無く、一方でまだ作品に改良の余地があるのではないかという欲も出て何度も手を加えているうちに、リリアン・ギッシュの訃報が入りました。
プレゼントすることができず残念な思いでしたが、宙に浮いたこの曲を私は彼女の出演する無声映画の中で必ず使う事にしました。そして今では洋画の愛らしいシーンでの定番曲として用いています。

2016年3月に銀座十字屋ホールで行った楽団カラード・モノトーンの20周年記念コンサートの時に、さらに手を加えてアンサンブルを豊かにしたバージョンの「Lyrian」を演奏しリリアン・ギッシュに捧げました。

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